専用庭の注意点(使用上のルール)

#不動産 

2019/07/188359 Views

共用部分とは?

共用部分
”共用部分 (きょうようぶぶん)とは、一棟の建物に構造上区分された数個の部分で独立して住居、店舗、事務所又は倉庫その他建物としての用途に供することができるものがある場合(区分所有建物等)において、その各部分に属さないもので、付属施設を含むものをいう。” 
出典: フリー百科事典ウィキペディア(Wikipedia)


ちょっと分かりにくい表現ですが、通常のマンションでは、区分所有者の部屋以外の部分といえます。

例えば、壁、支柱、屋根、基礎などの「躯体・構造部分」、エントランス、共用廊下、階段、エレベーターホール、機械室、車庫など「専有部分に属さない建物部分」、エレベーター設備、電気設備、給排水設備、インターネット通信設備など「建物に付属する部分」となります。

専用庭は?

ちょっと分かりにくいのが、バルコニーやベランダ、玄関ドアや窓など、「専有部分」に見えるのに、実は「共用部分」である場所。
専用庭もここに属します。

このような、共用性と専用性の両者が必要な場所は「共用部分」の「専用部分」に定められ、特定の所有者だけが使用を許されている一方、他人が使うことは許されていません。
バルコニーや専用庭に、隣人が勝手に入ってきては困りますよね。

「専用部分」の日常メンテナンスは特定の所有者がおこないますが、勝手に構造物を設置して避難経路を妨げるなど、その共用性を侵害してはいけないことになっています。

専用庭での禁止事項

以下は標準的な規約から、専用庭の禁止事項を抜粋したものです。

(禁止行為)
専用庭の専用使用権者は、専用庭において、次の各号に掲げる行為をしてはならない。
一 家屋、倉庫、物置、サンルーム、ビニールハウス、縁側、遊戯施設その他工作物(地下又は高架の工作物を含む。)の設置又は築造
二 専用の配線、配管、アマチュア無線アンテナ、音響機器及び照明機器等の設置
三 コンクリートの打設及び多量の土砂の搬入又は搬出
四 他の専有部分の眺望、日照、通風に影響を及ぼすおそれのある樹木その他の植物の栽培等
五 配線、配管、フェンスその他の共用部分等の保存に影響を及ぼすおそれのある掘削又は使用
六 その他専用庭の通常の用法以外の使用

主に、工作や搬入が制限されていますが、その理由はざっくりまとめると以下3つにまとめられます。

1.非常時は専用庭が避難路となるため、物置などが設置してあると、居住者や隣人が通れなくなってしまう
2.大型の工作物である場合、その重量等によって構造体に負担がかかるリスクがある
3.建物全体の美観を損ねる場合がある

専用庭のガーデニングは?

それでは、専用庭でのガーデニングは許されているのでしょうか。

上記規約第4条4項では、”他の専有部分の眺望、日照、通風に影響を及ぼすおそれのある樹木その他の植物の栽培等”との記載となっています。
つまり、他の住人の迷惑にならない限り、禁止事項にはなりません。
ただ、マンションによって規約上の定めが異なる場合がありますので、事前に管理組合に確認をしておくと安心ですね。

それと、洗濯物を干すスペースや避難経路を確保しながらガーデニングを楽しむためには、ある程度ゆとりのあるスペースが必要となります。
面積だけを見るのではなく、物干し置き場や室外機など、レイアウトをイメージすることが大切です。

物件探しをする上では、部屋だけでなく、そのほかの部分についてもきちんと確認したいものですね。

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