アンティーク市 ケンプトン・パーク競馬場

#ヨーロッパ #暮らし #安田和代

2023/11/22318 Views

writer:安田 和代(やすだ かずよ)
ロンドン在住の日本人編集者/ライター。昼は本を編み、夜は毛糸を編み、週末は畑で有機野菜を育てる日々。読書、写真、畑しごと、発酵食品&保存食づくり、編みもの、ポッドキャスト「試運転(仮)」、通信制大学で食物学の勉強など、あっちもこっちも。

古いものを大切に使い続けることに、価値を見いだすのが英国流。
アンティークの本場と言われる由縁も、そんな文化にあります。
今回は、ロンドンから鉄道で1時間以内で行けるアンティーク市についてお届けします。

プロの真剣勝負は8時まで

ロンドンから南西に向かって鉄道で1時間足らずのケンプトン・パーク競馬場では、毎月第二火曜日と最終火曜日にアンティーク市が開催されています(12月のみ第二火曜のみ)。

公式な開園時間は、朝6時半から午後2時までですが、プロのディーラーは、朝一番に駆けつけ、8時までには取引を終えて帰って行きます。
8時以降は、一般の愛好家や近隣の人々がメインとなり、ややのんびりとした光景。

私も、コロナ前に一度、プロ時間に訪れたことがありましたが、夜明け前から、多くのアンティーク・ディーラーがゲートに列をなしていました。
さらにふたつのビルのドアが開く時には、まるで徒競走のスタートさながら、係員がホイッスルを鳴らし、人々が一斉に、文字通り駆け込んでいくのです。

コロナ禍で開催されない時期もありましたが、現在ではすっかり以前のペースで開催されています。しかし、規模はやや縮小されているようです。
コロナ禍を通して、業界全体がオンラインでの取引に慣れてきたから、かもしれません。

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屋外マーケットは8時からスタート

競馬場のスタンドの建物2棟で開催されている屋内マーケットには、ジュエリーや食器類、本、おもちゃ、洋服、シルバー、ファブリックなどなど、比較的小さめのアイテムを扱うスタンドがぎっしり。
スタンドからスタンドへと、スマホの動画通話を使って、遠隔の顧客に品物を見せながら買い付けを行う人もいました。

一方、屋外マーケットにも食器などの小物を扱うスタンドもあるものの、家具や大ぶりのインテリアアイテム、ガーデン用のアイテムなど、何に使うのかわからないものも多々あり、目を奪われます。

一般家庭のみならず、ショップやレストランのインテリアに、さまざまなアイテムが飛ぶように売れていきます。
椅子を買った人たちが、頭に被るようにして持って歩く定番の姿も、多く見かけました。

在英日本人からも人気のあるマーケットなので、気づけばそこかしこから日本語が聞こえてくるのも印象的です。
少し前にディーラーのひとりから聞いた話によると、多くの日本人が折り畳み式の木製アフタヌーンティー用トレーを求めに来るとのことでした。

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キッチンを彩る小さな戦利品

さて、ここまでひとくくりに「アンティーク」という言葉をつかってきましたが、厳密にいうと、アンティークの定義は、「つくられてから100年以上経っていること」。
現在人気の1950年代〜70年代のものは区別するために、モダンアンティークとか、ヴィンテージとか呼ばれることが多いです。

この日私と友人が購入した品物は、小さくとも年代的には立派なアンティーク。
私が購入したのは、小さなガラスの計量カップ。ヴィクトリア時代に薬剤師が薬の分量を量るために使ったものとのことで、11ポンドでした。
ミルクピッチャーとして使えるかな、と思って購入しました。

友人が購入したのは、フランス製の木箱のセット。
それぞれに、砂糖(SUCRE)やコーヒー(CAFÉ)、紅茶(THE)などの文字と手彫りのイラスト入りで、年代を感じさせます。
こちらはセットで65ポンドでした。

ロンドンにお越しの際には、ちょっと足を伸ばして、ただ眺めて歩くだけでも楽しいアンティーク・ハンティングはいかがでしょうか。

Sunbury Antiques Market
https://www.sunburyantiques.com/kempton/

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