アロットメントの秋

#ヨーロッパ #暮らし #パイプなこ

2022/10/20306 Views

北海道より緯度の高いロンドン。日本よりひと足さきに街には秋が訪れます。
今回は、ロンドン在住ライター、安田和代さんからのイギリスの畑についてのお便りを紹介します。

ロンドンの秋

ロンドンにも秋がやってきました。
オオヤマザクラの葉が真っ赤に染まるころになると、偏西風の国だけあって、強い風が西から吹く季節です。

アロットメントの秋は、夏野菜の片付けから始まります。
キュウリ、トウモロコシ、カボチャ、ズッキーニなど、夏の間に恵みを与えてくれて、すでによたよたになった茎や葉っぱ、支柱として使っていた竹の棒などを片付けるのです。

いつも残念な気持ちになるのは、トマトです。
赤くなる前の、緑の実がふさふさとついているのですが、よく見るとへたのあたりから茶色く変色してきているのがわかります。
これは、ブライトと呼ばれるカビ性の疫病で、乾いた季節の後で湿度が高くなってくると毎年やってきます。
伝染性なので、アロットメントのように多くの人が多くの野菜を育てている場所では、風にのってみんなが一斉に罹患してしまうのです。
放っておくと土に残って、翌年にも影響を及ぼすので、見つけたらすぐに抜き取って、処分しなければなりません。

熟す前のグリーントマトは、チャツネにしたりサルサにしたりするほか、パン粉をつけてフライにしても美味しいのです。
グリーントマトをスライスして、小麦粉をはたいて溶き卵をくぐらせたら、煎ったトウモロコシを粉にしたコーンミールとパン粉をつけて、油で揚げます。
我が家は中濃ソースで食べていますが、アイオリソースにもよく合います。

切り花も畑から……

畑で育てているのは、実は野菜や果物だけではありません。
道沿いの人の目に触れるところでは、花を育てている人が多いのです。

かくいう私も、今年は4種類の異なるコスモスを植えてみました。
ロンドンでコスモスを育てると、夏から秋も深まるまでずっと咲き続けてくれます。

コスモスのほかに、百日草やマリーゴールド、ダリアなども、秋になってもまだまだきれいに咲いてくれているので、1週間に1〜2回は、お花摘みをして家のなかを花で飾っています。

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草木染めの材料を調達

最後に、畑で育てた草木で染色をするお話も。

昨年、染織家の友人にもらったタデアイの種をまいて、かなりよく育ったので、それで藍の生葉染めをしてみました。
藍といえば、ジーンズなどのインディゴブルーを思い起こす方が多いと思いますが、私たちが藍染めとして知っているあの深いブルーは、タデアイの葉を発酵させてつくるもの。
一方、生葉染めでは、もっと浅い空色に近いブルーを出すことができます。

藍染めがうまくいったので、それに気をよくして、マリーゴールド、レモンバームでも毛糸を染めてみました。
藍染めで得た濃淡の異なる2色とあわせて、多色使いのセーターをいま、編んでいるところです。

畑は、食べるもの、飾るもののほかにも、染めるための材料も与えてくれるという、まさに自然の恵みの宝庫なのです。

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