愛犬と暮らす庭

#ガーデニング #暮らし #遠藤昭

2020/09/26746 Views

writer:遠藤 昭
メルボルン駐在時、300坪の庭にてガーデニングに目覚め、多数のガーデニングコンテストを受賞。著書『庭づくり 困った解決アドバイス Q&A100』(主婦と生活社)。

犬のいるガーデン風景

犬のいるガーデン風景は素敵だ。やはり犬に動きと表情があるからだろう。
植物にも表情はあるが、どちらかといえば静の美しさであり、犬の動きが静の世界に活力を与えてくれる。

僕は愛犬の写真を30年以上撮り続けてきたが、背景には必ずといっていいほど我が家の庭がある。
そして一枚一枚の写真からよみがえるさまざまな思い出を、とても愛おしく感じてしまう。

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スタートはメルボルン

思い出のスタートはメルボルンだ。
33年もの昔、メルボルンに駐在するようになって、当時4歳と6歳の子供が現地の学校に通ったが、言葉の問題で友達と遊べず、”犬が飼いたい!”と言い出した。

親として何とかしてあげたいと思ったが、その借家はペット禁止。
大家さんと掛け合って、”家を出るときには原状復帰をする”という約束で、飼育の許可をいただいた。

オーストラリアにペットショップは無く、犬はブリーダーから購入する。
飼いたかった「イングリッシュ・コッカースパニエル」を見つけ、郊外のまで車を走らせて、子犬を連れ帰った。
メス犬だったが、メルボルンに因んでメルと名付けた。

それから、子供たちは毎日犬と遊んで、元気を取り戻してくれた。
親として、本当に愛犬メルには感謝しきれない思いだ。

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花づくりと愛犬の共存

帰国後しばらくはマンション住まいだったが、すぐにメルボルンの”庭のある暮らし”が懐かしくなり、子供たちも”犬が飼いたい!”と言い出した。
そこで近くに、猫の額ほどの庭付き一軒家を確保し、オーストラリアスタイルの”愛犬のいる暮らし”を復活させた。
僕はオーストラリアからオーストラリア原産の花木の種を輸入して育て、子供たちは「イングリッシュ・コッカースパニエル」を飼い始めた。

25年間、犬のいるガーデニングライフを送ってきたことで、いくつかの注意点を発見した。
僕は庭の手入れをする間、愛犬を庭に放しておくことが多いが、一度だけ道路に飛び出し、軽いけがをさせてしまったことがあった。
まずは門扉を二重にするなど、絶対に犬が道路に飛び出さないよう対策が必要だ。
アガベなど、鋭い葉を持つ植物は、犬の届かない高い場所に置いてあげよう。
また発酵油粕など、匂いのある肥料は食べられてしまうので、使用を避ける方が良いだろう。

花づくりと愛犬の共存は難しいと言われるが、我が家には花壇がなく、草花をプランターで育てているせいか、特に問題になったことはない。
犬たちは花崗岩の平板と煉瓦で平らにした通路とテラスを歩き、周囲の砂利やバークの中には入らない。
ご主人の大切にしている場所をきちんとわきまえているようだ。

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犬が与えてくれるもの

今飼っている「ヨークシャーテリア」のココは、妻の父親が飼っていた愛犬で、3年前、父が亡くなった時に引き取った。
今までの「イングリッシュー・コッカー」に較べると5分の1程度の体重のため、高齢者にも飼いやすい犬種だ。
コロナ禍で外出がままならない今、毎朝約1時間の散歩がとても良い運動になっている。
そして夫婦二人きりの巣籠生活に、刺激と潤いを与えてくれている。

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愛しい愛犬たち

愛犬たちの寿命は短く、必ず別離の時がやってくる。
我が家は墓石として、庭に「バイオリンを弾く犬」の像を置いていて、歴代の愛犬のお墓では、毎年秋に菊が咲く。

愛犬たちは、いつまでも、庭で僕らを見守ってくれているのだ。

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