ロンドンの畑、緑ある暮らし

#ガーデニング #ヨーロッパ #暮らし #パイプなこ

2021/07/15658 Views

writer:パイプなこ
イギリス人の夫、息子と一緒に英国と日本を行ったり来たり。編集・ライターとして欧州の緑豊かな生活と日常をいろいろ発信している。

allotment

ガーデニング王国のイギリス。
庭好きならば、一度は訪れてみたい国のひとつですが、都市中心部の暮らしはアパートが主流。
大きな庭がない人も少なくありません。

そんな人たちに人気なのが「allotment(アロットメント)」と呼ばれる市民菜園。
小さな区画を借りて、野菜はもちろん花も育て、ガーデニングを楽しみます。

今回は、そのアロットメントをコツコツと耕す、ロンドン在住のライター、安田和代さんから届いたお便りを紹介します。

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ロンドンでアロットメントを借りる

私が、自宅から徒歩3分のいまのアロットメントを借り始めたのは、いまから5年前のことです。
それより遡ること8年前に申込をしたのですが、ウェイティングリストは長蛇の列で、実際に順番が回ってくるまで3年を要しました。

私の区画の、前の持ち主さんはアイルランド人の女性だったそうで、ふたつのシェッド(物置小屋)と小さな温室、そして2本のリンゴの木にアイルランドでよく見かけるワイルドローズや、黄色いアヤメなどを引き継いだのです。

ひと区画のサイズは、およそ幅10メートル、奥行き25メートル。
ちょうどスイミングプールほどの大きさで、これはアロットメントの歴史が始まった、ヴィクトリア時代から変わっていないそうです。
とはいえ、最近ではその半分、または1/4サイズでも借りられるところが増えています。

他人の本棚をのぞくように

アロットメントの楽しみといえば、もちろん好きな野菜を自分で育てることがいちばんですが、隣人たちがなにを育てているのか、どんなレイアウトにしているのか、などを見て回ることも大きな楽しみのひとつです。

私たちのアロットメントは210区画からなる広大な土地で、借り手も英国人、ギリシャ人、アイルランド人、イタリア人などなど、人種はさまざま。
それだけに、育てているものにお国柄がくっきりあらわれるのも興味深いところです。

一面にジャガイモが植えてあるのは、アイルランド人の区画。
イチジクの木があるのはギリシャ人かイタリア人、などなど、スーパーでは見かけない珍しい野菜を育てている人もたくさんいます。

私の畑を訪れた友人が「まるで他人の本棚をのぞきこむような楽しさ」と形容していましたが、まさにその通りだと思います。
きっと私が育てている日本のダイコンやカボチャも、周りの人にとってはエキゾチックなものに映っているかもしれませんね。

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実はロンドンで育つあれこれ

「畑でなにを育てているの?」と聞かれて、あれやこれやと答えると「えーっ、そんなものも英国の気候で育つの?」と、ビックリされることがしばしばあります。

その代表選手がトマトです。
もちろんイタリアやギリシャほど、パリッと温度が上がらない英国なので、生育に時間がかかりますし、品種によっては難しいのですが、上手に育てれば相当な収穫が見込めます。

トウモロコシもそんな野菜のひとつ。
収穫したてがいちばん美味しい、野菜の代表格でもあります。
24時間で糖度が半減するともいわれているので、お店で流通されているものに比べて、甘みが強いのは当然ですよね。

ズッキーニも、毎年期待を裏切らない……ばかりか、多くの人が食べきれないほど収穫できるという贅沢な悩みをもたらす野菜だと思います。

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畑でのBBQ

そんな野菜を最高の鮮度でいただけるのが、畑でのBBQ。
コロナ禍でも、屋外でソーシャルディスタンスをとりながら社交できるので、去年の夏も大いに楽しませてもらいました。

今年も、あと何回BBQができるかしら、と楽しみにしています。

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