ハッピー・ファミリー・クリスマス

#ヨーロッパ #暮らし #安田和代

2025/12/2477 Views

writer:安田 和代(やすだ かずよ)
ロンドン在住の日本人編集者/ライター。昼は本を編み、夜は毛糸を編み、週末は畑で有機野菜を育てる日々。読書、写真、畑しごと、発酵食品&保存食づくり、編みもの、ポッドキャスト「試運転(仮)」、通信制大学で食物学の勉強など、あっちもこっちも。

英国のクリスマスは、恋人たちのものではなく、圧倒的にファミリーのもの。
普段は離ればなれに暮らしている親子や兄弟姉妹が、一斉に集い、賑やかな食卓を囲むのです。

クリスマスのごちそうとは

英国の暦の上では、クリスマスイブは平日です。
多くの人が半休をとったり、1日休んだりして、故郷に帰る日でもあります。
そして、クリスマス本番は、なんといっても25日。
この日は、英国中の公共交通機関がストップし、店もほとんど開いていません。

ロンドンでは、最近になって開いている店をちらほら見かけられるようになりましたが、10年前にはしんと静まりかえった街のなかを、タクシーがときどき通るだけでした。

この日の食事は、「クリスマス・ディナー」とは呼ばれるものの、実際には昼過ぎ頃から始まります。
英語の「ディナー」は、伝統的には夕食を指すのではなく、一日のメインの食事を表す言葉でした。
給食の調理や配膳に携わる女性のことを、いまでも「ディナー・レイディ」と呼ぶのはそのためです。


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テーブルには、人数分の大皿が配され、中央には主役である七面鳥、そして副菜となる色とりどりの野菜が並び、それを各々好きなように自分の皿にとっていくスタイルです。

野菜は、マッシュポテトやローストポテト、茹でたグリンピース、ローストしたニンジンが定番で、日本ではあまりなじみのない甘い根菜パースニップのローストや、茹でた芽キャベツのほか、カリフラワーをチーズソースでオーブン焼きにした「カリフラワー・チーズ」を出す家庭もあります。

肉類は、七面鳥はもちろんですが、家でローストしたハムのスライスや、ウィンナーのベーコン巻き「ピッグズ・イン・ブランケッツ(毛布で包まれた豚」も定番。

さらに、伝統的は七面鳥に詰めて調理していた穀類やナッツを、個別に丸めてローストしたスタッフィングと呼ばれる小さなボールも人気です。

テーブルに載りきらないほどの料理を、「ポテトとってー」とか、「お肉まわしてー」などと声を掛け合いながら、自分の皿に盛り付け、その上から肉汁を混ぜたコクのあるグレービーソースをかけて、いよいよ宴が始まるのです。

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勝ち負けのあるクリスマス・クラッカー

さて、クリスマス・ディナーの始まりに、もうひとつの儀式があることを忘れてはいけません。
それはクリスマス・クラッカーです。

各人の皿の上、またはナイフやフォークの脇に置かれた、キャンディ状の紙でできた筒で、これをお隣の人と、引き合って、パーンと鳴らすのです。

この儀式は、ただ音が鳴るだけではなく、勝負が介在します。
引き合って割れたときに、ギフトの入った筒の部分がついてくれば勝ち、ただ端の部分だけが手に残れば負けです。

筒のなかに入っているのは、紙でできた王冠、ジョークやクイズなどが書かれた紙、そしてあまり価値のない小物、というのがよくある組み合わせ。

クラッカーは人数分用意されているので、勝ち負けにかかわらず、全員が譲り合って紙でできた王冠をかぶってディナーを食べます。
「くだらない」とか「ばかばかしい」とか言わずに、大人も子どもも王冠をかぶるのです。
この少し間の抜けた風景が、とてもクリスマスらしく、少し非日常的なフェスティブな気分を盛り上げるのかもしれません。

クラッカーに入っていたクイズや、豆知識などを順番に読んで、「へぇー」とか「なーんだ」などと盛り上がりながら、冬の夜はふけていきます。クリスマスにクラッカーは必須なのです。

今年はじめて、フリルが片側にしかついていない「ソロクラッカー」なるものを見つけました。
二人で引っ張るのではなく、一人で両手で引っ張るのだそうですが、少し寂しいような、複雑な気持ちになる商品。
やはり、できれば、クラッカーはふたりで引き合う方が楽しいように思います。

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