今年の夏の収穫物

#ガーデニング #ヨーロッパ #暮らし #安田和代

2025/08/2773 Views

writer:安田 和代(やすだ かずよ)
ロンドン在住の日本人編集者/ライター。昼は本を編み、夜は毛糸を編み、週末は畑で有機野菜を育てる日々。読書、写真、畑しごと、発酵食品&保存食づくり、編みもの、ポッドキャスト「試運転(仮)」、通信制大学で食物学の勉強など、あっちもこっちも。

いよいよ、一年で一番の収穫期がやってきました。
今年の夏の、アロットメントでの様子をお届けします。

アロットメントと気候変動

夏は、畑仕事が一番忙しい季節です。
特に今年は雨が少なく、からりと晴れた暑い日が続いているので、水やりも欠かせません。
収穫は1日おき、水やりは3〜4日に一度という日々が続いています。

ロンドンも東京と同様、ここ数年、温暖化が進んでいます。
ちょっと前まで、ロンドンは、20℃を超えれば夏日。
それが1、2週間も続けば夏も終わり、という感じだったのです。
ところがここ数年は、毎年のように、真夏の数日間は30℃超に。
今年に至っては、6月の熱波第1弾から、8月現在の第4弾に至るまで、30℃以上の日がたびたびやってきました。

この温暖化の恩恵か、いつもにも増して、トマトやキュウリといった夏野菜が、おそるべき勢いで鈴なり状態になっています。
特に数年前までは、露地では育たなかったナスが、去年あたりから、露地のほうが温室栽培よりもうまくいくようになってきました。
ピーマンも同様です。

2日に一度、5キロ以上の収穫物を持ち帰るので、トマトソースをつくったり、キュウリの佃煮をつくったり、保存食づくりも忙しい日々です。
トマトソースは、オーブンでローストしたトマトを、ブレンダーでピューレ状にして、それを若干煮詰め、0.7%の塩を加えて瓶詰めにします。
瓶の蓋は緩く締めて、40分以上湯煎にかけたあとで、ギュッと締めることで、中の空気を抜いて密封するのです。
これで、1年間は安全に食べることができます。

Thumbnail Images

今年は、いつものようにコスモスやジニアに加えて、友人からもらった朝顔の種もまいてみました。
小学校の時の夏休みの観察日記でおなじみの花ですが、その名のとおり、本当に朝しか花が咲かないことを再確認して、軽い感動を覚えました。
午後遅い時間にしかアロットメントに来ない夫は、朝顔の花をまだ見たことがありません。

Thumbnail Images

雨といちじく

夏は、野菜もさることながら、フルーツも実りの時です。
ラズベリーやブラックベリー、プラムなど、さまざまなフルーツが一斉に実をつけます。
果樹というのは、短期間にどさっと実るので、食べきれないこともしばしば。
そんな収穫物を共有したり、交換したりできるのも、アロットメントのいいところです。

隣の隣の畑のギリシャ人の母娘の敷地には、立派ないちじくの木が3本ほどあり、毎年お裾分けを楽しみにしています。
実は私、以前は、いちじくをあまり美味しいとは思っていませんでした。
町で売っているいちじくは、ゴルフボール大の小ささでありながら、1個1ポンド(200円)くらいする上に、ぼんやりとした味。
そこへいくと、当然といえば当然ですが、ご近所さんの完熟状態で収穫したいちじくは、まったくの別物で、とろける美味しさだったのです。

ところが、今年はなかなか熟さず、実が堅いままの状態が続きました。
別の区画の新入りトルコ人ファミリーは、「英国の気候じゃ、受粉のための虫が少ないから、美味しくできないわね」と苦々しげに言いながら、自分たちの区画に生えている、いちじくの緑色の実をもいでは割って、ポイッと捨てていました。

毎年美味しいのに、今年はダメなのかな……と思っていたところ、いつもいちじくをくれるギリシャ人のお母さんが「いちじくはね、下から水をやるだけじゃダメなの。上から、雨が降らないとダメ」と教えてくれました。

それから待つこと数日、ゲリラ豪雨のような大雨がやってきました。
するとどうでしょう。
いちじくの実が一斉に柔らかく熟して、それから現在に至るまで、毎週のように美味しい実をいただいています。
先日は、友人がタルトを焼いてきてくれて、そこにもぎたてのいちじくを載せて、フルーツタルトにしました。

たぶん、トルコ人ファミリーの木も、もう少し待てば、ちゃんと熟したのでは?という気もしますが、私自身は今年も恩恵にあずかれて、とても幸せなのです。

Thumbnail Images

SHARE

このtipsをシェアする

新着物件NEW PROPERTY

無料相談を
おこなっております!

物件を買いたい、売りたい、
不動産について相談をしたい方は、まずは無料相談へお問い合わせください。
コンサルタントがあなたのお話をお伺いさせていただきます。